サブスクで「通うハードル」が一気に下がる
「創業当初のお客様は日本に住む外国人ばかりで、日本人がなかなか来てくれませんでした。アメリカでは日常的に美容室に行く文化があるのですが、日本では平均2カ月に1回、髪を切りに行くのが一般的。ブローのためだけに美容室に行くこと自体が、日本女性になじみにくく、シャンプーやブローをしに行く頻度やタイミングがつかめないという客が多かったんです」(スポッツウッド氏)
そこで、2号店となる銀座店からは、もっと気楽に生活の一部として使ってもらえるように、何度利用しても固定料金で済むサブスクリプションモデルを取り入れた。するとPRを全くしていないのに、開店初日で20人もの客が“通い放題”にひかれて来店した。
「当時、サブスクはまだ流行していませんでしたが、シャンプー&ブローの在り方と月額制のビジネスモデルがうまく合致したのだと思います。一度会員になると何度も来店してくれるので、スタッフもどんどんお客様の頭皮や髪の状態に詳しくなることができました」(スポッツウッド氏)
Jetsetのスタッフは全員、ほかの店舗で活躍していた美容師だ。彼らは、「髪を切るだけが美容師じゃない。Jetsetのサービスは、お客様を幸せな気分にさせることができる」と口をそろえる。
男性も使えるリラクゼーション
「忙しい女性のライフスタイルを変える」を目標に掲げるJetsetだが、もちろん女性専用ではない。男性客の割合はまだ少ないものの、徐々に増えてきている。一度生活の中にブローの時間を取り入れてしまえば、男性の方が利用頻度は高くなる傾向があるという。
「男性は女性に比べて、自分のためのリラクゼーションの時間を取ることが少ないと思います。たった20分でシャンプーからマッサージまでできるので、たばこを吸う代わりにここでリラックスできるのではないでしょうか」(スポッツウッド氏)
サブスクリプションモデルで通う障壁を下げ、少しでも忙しい人々がリラックスできる時間を増やす。米国発の文化ではあるが、都会の喧騒にのまれやすい日本人にもフィットするサービスになりそうだ。