「国が二重に消費税をとっている!」
「インボイス導入により、B社はこれまで消費税を払わなくてよかったのに、払わなきゃいけなくなった」

 こうした解釈になり、「国が二重に消費税をとるためにインボイスを導入した!」と思う人もいるかもしれません。

 私は国の味方をするわけではありません。ただ、この考え方は、間違っているのです。

 消費税とは、その名のとおり「消費」に課される税金。

 A社→X社へ売った
 X社→B社へ売った

 この行為に課税されています。ということは、二重ということにはなりません。

 もし、りんごに課税されるなら、一度売ったときにだけ税金が計算され、あとは税金なしに売れるということになります。

 最初に売った方にのみ税金がかかるのは不公平です。これがもし通るのなら、最初に安く売り、あとで高く売るということで税金逃れができてしまいます。

 そうではなく、売ったときにかかるのが消費税と認識しておきましょう。

(本原稿は『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』の著者・井ノ上陽一氏へのインタビューをもとに構成したものです)