ウクライナで戦争が始まった結果、スエズ運河の通航量は一段と増えた。パレスチナ自治区ガザでの紛争を受けて同運河の通航が難しくなれば、エネルギー貨物は迂回(うかい)を余儀なくされ、コスト増や物価上昇につながるだろう。英石油大手BPは18日、パレスチナに同情的なイエメンの反政府勢力フーシ派による船舶攻撃が続いていることを受け、通常は紅海を経由するタンカーを一時的に迂回させると発表した。今のところ、このような措置をとる大手エネルギー企業はBPだけだが、デンマークのAPモラー・マースクやドイツのハパックロイドなどの海運会社も貨物船を迂回させ、アフリカ回りのルートを取っている。紅海での緊張の高まりを受け、北海ブレント原油先物と欧州天然ガスの指標であるオランダTTF先物は18日に上昇した。しかし、翌19日には再び下げに転じた。多国籍海軍部隊がこの海域の商船を保護するとの米軍の発表が好感されたようだ。