紙幣の増刷(資金供給)はいわれのない非難を受けているが、代替案よりはましな方策かもしれない。中央銀行がいつ利下げするのかという、今日の大きな金融政策論争の陰には、もう一つ重要な問題が隠れている。それは「中銀はどのように金利を設定すべきか」という問題だ。中銀が目標レンジやベンチマーク(基準金利)を発表しているため、金融機関同士が資金を融通し合う際の金利を操作する方法は多数あるという現実が見えにくくなりがちだ。2008年の世界金融危機よりも前には、当局者は同じ考え方に基づく幅広い戦略を採用していた。すなわち、毎営業日の終盤になると、市中銀行は全体的に流動性が不足し、中銀から「準備預金」を調達することになり、結果的に貸出金利の水準が決まるという形だった。
中央銀行は金利をどう設定すべきか
金融当局は「フロアシステム」を撤廃するよう圧力を受けている
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