日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多いです。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行されました。タイトルに偽りなく、高みを目指すビジネスパーソンの皆さまからは見向きもされていない様子ですが、そんなハイスペックな方々の英語学習は他の参考書にお任せして、「低空飛行」をモットーとされている方々に、本書の例文をよりいっそう活用する方法についてご説明させていただきます。
「SDGsに配慮して、トイレを毎回は流さない」
“Out of consideration for the SDGs, I don't flush the toilet every time.”
世の中には様々な言い訳や責任逃れがありますが、最も有力な殺し文句のひとつに「環境に配慮する」があります。伝統的な「もったいない精神」と過度なコンプライアンスへの配慮が共鳴し合うことで、私たち日本人は環境を人質に取られると手も足も出なくなる性質になりました。今回はその象徴的なワードである「SDGs」を巧みに使った、持続可能な言い逃れを考えてみたいと思います。
持続可能な言い逃れ
「SDGsに配慮して、忘年会には参加しません」
“Out of consideration for the SDGs, I don't go to the year-end party.”
SDGsと忘年会は全く関係なく、意味がさっぱりわからないのですが、なんだか侵し難い大切な価値観を持っているような雰囲気を醸し出すのがポイントです。
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「SDGsに配慮して、本日はお休みします」
“Out of consideration for the SDGs, I'm taking a day off today.”
たとえ納期の締め切りや重要な会議があっても、持続可能な開発目標の前ではちりに同じ。宇宙船地球号の乗組員として、無駄な二酸化炭素の排出をせず、家でゆっくり休みましょう。
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「SDGsに配慮して、本来の実力を発揮しません」
“Out of consideration for the SDGs, I don't show my true potential.”
能ある鷹は爪を隠す。すべては地球環境のため、私たちの遠い未来の子孫のためです。心して手を抜きましょう。
SDGs以外にも、環境汚染(environmental pollution)や気候変動(climate change)といった言葉も同様に有効ですので、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』の著者、中山氏による書き下ろし記事です)