日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多いです。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行されました。タイトルに偽りなく、まっとうなビジネスパーソンの皆さまからは見向きもされていない様子ですが、そんなハイスペックな方々の英語学習は他の参考書にお任せして、「引く、媚びる、省みる」をモットーとされている方々に、本書の例文をよりいっそう活用する方法についてご説明させていただきます。
「我、二度寝する。故に我あり」
"I go back to sleep, therefore I am."
デカルトの残した「我思う、故に我在り」は、最も有名な哲学的命題のひとつであり、ゆえに古今東西ありとあらゆる形で引用され、無数のパロディを生み出し、400年近く経過して極東のちっぽけな島国のわけのわからない書籍でもいじられる始末です。さて、そんな「故に我あり」"therefore I am."の可能性をダメ人間の言い訳としてさらに追求してみたいと思います。
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「我、残業しない。故に我あり」
"I don't work overtime, therefore I am."
残業をしたくないときの言い訳に。
たんにサボりたいとか、面倒だとかではなく、自らの存在を掛けて残業を拒否すれば、周囲もいずれは見放す、いえ、納得してくれるでしょう。
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「我、結果にコミットしない。故に我あり」
"I don’t 'commit' to the results, therefore I am."
某CMのキャッチコピーとしておなじみの「結果にコミット」。無論、そんなものは我々の存在証明とは無関係です。
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「我、よく屁をこく。故に我あり」
I fart a lot, therefore I am.
わざわざ「屁をこく」などと言わず、音や臭いのある屁をこいたあとに「故に我あり」でも十分伝わりますし、むしろオシャレかもしれません。
どんなにくだらないことでも、自らの存在理由として引き合いに出されれば、誰もそれを否定することはできません。積極的に使っていきましょう。
(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』の著者、中山氏による書き下ろし記事です)