「ヒット作を生み出したい」とは、ビジネスパーソンなら誰もが夢見ることだ。日本中の人がその商品の名前を知っている「メガヒット」ならなおさらよい。「綾鷹」「檸檬堂」「からだすこやか茶W」「SK-Ⅱ」「ファブリーズ」「ジョイ」…これらの商品は、ほとんどの日本人が知っているメガヒット商品だ。これらの商品を大ヒットに導いたのは、P&Gジャパン、日本コカ・コーラを渡り歩いた伝説のマーケター・和佐高志氏である。彼の初の著書『メガヒットが連発する 殻を破る思考法』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集して、ヒット作を生み出すコツを学ぶ。

成功するリーダーが必ず持っている圧倒的な特徴とは?Photo: Adobe Stock

成功の裏には必ず情熱とたゆまぬ努力がある

 努力をしたからといって、成功する確証はありません。しかし、成功の裏には必ず情熱とたゆまぬ努力があるものだと私は考えています。意志のあるところにこそ、道はできる。私は本当にそう思っています。だから、パッション・情熱の火を燃やさなければならないのです。

 実際、さまざまな世界で成功した人、偉業を成し遂げた人に共通しているのは、情熱があること、そしてあきらめずに努力を続けていったことだと思うのです。

 エジソンは1000の失敗があっても、それは失敗ではなく、成功へ続く一歩だと語っています。ライト兄弟は、考えられないほどの苦難を乗り越えて飛行機を空に飛ばしました。

 また、長野オリンピックの日の丸飛行隊、2023年ワールドベースボールクラシックでの栗山英樹監督率る日本チームの頑張りには、多くの人が感動をもらいましたが、それは情熱とたゆまぬ努力があってこそだと思うのです。

 私はバレエやクラシックコンサートを見るのが好きですが、一流のバレエダンサーの練習を見せてもらう機会があり、本当に驚きました。やはり大変な努力と節制をしているからこそ、踊りを見て震えるような、鳥肌が立つような瞬間が訪れることをあらためて知ったのです。

 とりわけ仕事でチームを率いるときには、リーダーがパッション・情熱を持っていなければなりません。チームは、恐ろしいほどリーダーを見ているからです。P&Gジャパンでも、日本コカ・コーラでも、成功しているリーダーにパッション・情熱がなかったというケースはあり得なかったと思います。

成功するリーダーが必ず持っている圧倒的な特徴とは?

和佐高志(わさたかし)1990年、同志社大学文学部新聞学科卒業後、P&Gジャパン・マーケティング本部入社。医薬品、紙製品のマーケティングに始まり、化粧品&スキンケア、洗濯関連カテゴリー等を担当。ブランドと人材育成の実績を重ね、ブランドマネジャーからマーケティングディレクターへ。2006年、紙製品、化粧品&スキンケア事業部担当のジェネラルマネジャーとして、P&Lの責任を持つ。2009年より、日本コカ・コーラのお茶カテゴリーマーケティング責任者。「太陽のマテ茶」や「からだすこやか茶W」などの新製品発売および「綾鷹」ブランドの立て直しなどによるお茶カテゴリーV字回復を実現。2013年、同社副社長に就任し、「ジョージア ヨーロピアン」「世界は誰かの仕事でできている。」キャンペーンなど複数の大型ブランドのビジネス拡大推進をリード。2019年にコカ・コーラ社世界初となるアルコールブランド「檸檬堂」の開発責任者として成功を収め、最高マーケティング責任者に就任。2020年、日経クロストレンドが選出する、マーケター・オブ・ザ・イヤー大賞受賞。2023年、同社を退社。株式会社Jukebox Dreams(ジュークボックスドリームズ)を設立、同社代表取締役CEO就任。