美術館に行っても「きれい!」「すごい!」「ヤバい!」という感想しかでてこない。でも、いつか美術をもっと楽しめるようになりたい。海外の美術館にも足を運んで、有名な絵画を鑑賞したい! そんなふうに思ったことはないでしょうか? この記事では、書籍『死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅』から、ご指名殺到の美術旅行添乗員、山上やすお氏の解説で「知っておきたい名画の見方」から「誰かに話したくなる興味深いエピソード」まで、わかりやすく紹介します。

雪中の狩人 ピーテル・ブリューゲル『死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅』より

日本でも大人気! 人形劇のように、かわいい絵の魅力

──あ、この絵、なんかいいですね。誰の作品なんですか?

こちらは、ピーテル・ブリューゲルの描いた「雪中の狩人」という作品です。ブリューゲルの絵は人形劇のようにかわいくて、日本でもとても人気ですね

そのブリューゲルの世界最大のコレクションを持つのが、この美術史美術館なんです!

──世界最大! それはどのくらいなんですか?

現存する油絵40枚ほどのうち、12点を所有していると言われています。

──12枚! それはすごいですね…(多分すごい? 程度がわからん)。ところでこの絵は…狩りから帰ってきた狩人ですよね?

そうですね。ではここで問題です! 今回の狩りは成功したでしょうか?

──え~! よくわかんないけど、失敗…ですかね? なんか狩人たちが肩を落としているように見えます。

ピンポーン、正解です! まあ一応、一人の狩人の背中に一匹のキツネは見えますが、これでは不十分なんでしょう。

他の狩人たちも肩を落としていますし、一緒に行った猟犬まで「ショボーン」としているのが面白いと思いませんか?

──ほんとだ、彼らも晩ごはん抜きなのかな?(笑)

こういう表現が面白いんですよね、ブリューゲルって! ちなみに、この猟犬には大きさが3種類あるのにお気付きですか?

──え、確かにそう言われれば大きいのと、小さいのと、あと…ちょっと太ったのがいる気がしますが…。なんでバラバラなんだろう? そこらへんにいる犬をかき集めてきたのかなぁ?

はは(笑)。そうかもしれませんが、一般的には、猟師たちに獲物のありかを教える足の速い犬、地中に逃げ込む獲物の臭いをかぎわけて追跡する犬、猟師が仕留めた獲物を運ぶ犬の3種に描き分けていると言われています。

──なるほど! そしてみんな捕れなくてショボーンとしていると。

みんながんばったんでしょうけどね(笑)。そしてその奥には凍った湖の上で遊んでいる人々が見えますよ?

──ほんとだ。あ! よく見るとスケートしてる! 他にもアイスホッケーみたいなことをしている人もいますよ! これ昔の絵ですよねぇ?

だいたい450年くらい前の絵です。

でも、そんな時代から今の私たちと同じようなことをしていただなんて面白いと思いませんか? こうした当時の様子を伝えてくれるのも絵画の面白いところですね!

──確かに♪ 450年前って聞くと不便な時代だったんだろうなと思いますが、その人たちはその人たちなりに人生を楽しんでいたんでしょうね!

(本記事は山上やすお著『死ぬまでに観に行きたい世界の有名美術を1冊でめぐる旅』から一部を抜粋・改変したものです)