「集団免疫」が期待できないコロナ、5年目以降の対策はどうすべきかPhoto:PIXTA

 2020年1月14日、神奈川県内の医療機関から管轄の保健所に対し、「中国・武漢滞在歴がある肺炎患者」の報告があった。国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例である。

 あれからおよそ4年が過ぎた。23年5月8日にはCOVID-19の扱いが感染症法上の5類に移行。年末年始の街のにぎわいを見る限り、コロナ禍は過ぎ去ったように思える。本当にそうか。

 というのも、これまでのデータから、新型コロナウイルスには「集団免疫」が期待できないと考えられるからだ。

 集団免疫とは、感染者が出たとしても、周りに感染しやすい人がいなければ──つまり免疫を獲得している人が多ければ、そこでウイルスの伝搬が断ち切られるという状態だ。

 しかし、新型コロナウイルスの場合、感染して得た免疫にせよ、ワクチンで得た免疫にせよ、感染予防効果の持続期間は、数カ月だとされている。

 さらに、免疫の武器である「抗体」の攻撃をすり抜ける変異が次々に登場している状況を考えると、感染そのものを完全に防ぐことは不可能だ。5年目以降の現実的な対策は、COVID-19による重症化や死亡を防ぐことだろう。幸い、ワクチンの重症化を抑える効果は1年ほどもつようだ。ワクチンの追加接種で重症化リスクが下がるというデータも出ている。

 24年以降は、社会に新型コロナウイルスが「定着」したことを前提に感染症対策を立てていこう。まず65歳以上は、24年度以降も公費支援がある1回/年の定期接種を利用しよう。インフルエンザのワクチンと同じことだ。

 24年4月以降、自己負担ありの任意接種となる64歳以下かつ接種の意思がある人は、無料期間が終わる24年3月末日までに追加接種を済ませてしまおう。基礎疾患がある人は、その後も年に1回の接種を考慮するといい。

 何かと物議を醸すマスクだが、換気が悪い室内や激混みイベントでは、スマートに装着すること。この4年間で身についた手指洗いもお忘れなく。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)