2024年6月が「衆院解散」ラストチャンス?岸田首相が“伝家の宝刀”を抜ける条件Photo:Anadolu/gettyimages

自民「裏金」問題が追い打ち
解散には戦術ではなく信念を

 支持率低迷が続く岸田文雄首相にとって、自民党の政治資金パーティー収入による「裏金」化疑惑の発覚は、来年秋の自民党総裁選再選を狙っての「衆院解散」の思惑を吹き飛ばす衝撃となった。

 総合経済対策を盛り込んだ補正予算成立後の解散権行使が取り沙汰されていたが、解散どころではない状況となっている。だが解散戦術の頓挫は、政治資金問題以前の経済政策の迷走も大きい。

 岸田首相の自民党総裁任期は2024年9月末までだが、それまでに解散はあるのだろうか。

 政治学的に考えれば、総裁選前に首相が解散権を行使する可能性は、実はまだそれなりにある。ラストチャンスは来年6月の通常国会終了後だ。

 しかしそのためには、「人気取り」政策やその場しのぎの改革で国民をだますようなやり方から決別する必要がある。