ビジネスでも登山でも
計画だけでなく振り返りが大事

 私も普段からビジネスとの関連性を考えながら登山をしているわけではありませんが、似ている部分が多いのも確かです。登山においては計画立案だけでなく、振り返りもやるようにして、気づいたことを記録に残すようにしています。

 例えば、今年は初のテント泊をしたのですが、実際にテントを持っていったら想定と違ったことがたくさんありました。余分な装備を持っていって、ちょっと重すぎてつらかったのですが、振り返りを行うことで「次からは現地での快適さを少し諦めて、キャンピングチェアを持っていくのはやめよう」といった検討ができるわけです。

 ビジネスでも登山でも計画は綿密に行うのに、実行した後やりっぱなしになることは多いかと思います。私自身もそういうところがありますが、やはり経験値をもとに、それを生かして次の新たな計画を立てるようにしなければいけません。

 以前の記事『人生100年時代、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」を実現するには』にも書いたとおり、私はあと数年以内に槍ヶ岳に登りたいと考えています。しかし、天候などの条件を考慮すると、チャンスはいつでもあるというわけではありません。準備段階の毎回の山登りで得た教訓をしっかり次に行かすようにしなければ、体調を崩してまる1年後に機会がずれてしまうことだってあり得ます。20代、30代の人たちと違い、1年1年がとても貴重な時間なのです。

 私もそれほど緻密な性格ではありませんが、自分がやりたいことを実現するためには、1回1回の計画を実施して得られた教訓を次に生かすことを続けなければ、目標を達成できないかもしれない。そう心掛けているところです。

(クライス&カンパニー顧問/Tably代表 及川卓也、構成/ムコハタワカコ)