煉獄コロアキ氏は動画の中で、一般女性をチケットの不正転売に関わった「転売ヤー」と決めつけて無許可で撮影。さらに「パパ活やってるでしょ」とも言い放ったが、その後の報道によれば、この女性は不正転売もパパ活も行っていなかったという。
インターネット上で全く関係のない他人が吊し上げられるケースは、古くはスマイリーキクチさん(※1)から、数年前の「ガラケー女」デマ事件(※2)まであり、その被害の深刻さもたびたび報道されている。
(※2)2019年8月に起こった煽り運転事故で、加害者の車に同乗していた「ガラケー女」と間違われた女性が、ネット上で誹謗中傷された事件。その後、女性は100件以上の書き込みについて開示請求を申し立てたほか、デマを拡散した元市議が賠償命令の判決を受けるなどした。
にもかかわらず、ネット上でインフルエンサーが拡散するデマや不確かな情報に乗っかってしまうだけではなく、自らがネット上に散らばる断片的な情報から推理を楽しむ「インターネット探偵」になってしまう人もいるのはなぜなのだろうか。
アイドルの部屋の間取りを推定
「匂わせ投稿」を晒す
とはいえ「インターネット探偵」はここ最近になって初めて出現したわけではない。
「アイドルの瞳に映った影から部屋の間取りを推定する」「インスタなどにアップされる写真から居住地を推定する」など、個人情報を特定しようとする迷惑ファンは以前からいたし、そういった行為が行われることを懸念して、有名人のみならず一般人も自衛策を取るようになっている。
また、芸能人と交際関係にあると思われる人の投稿を逐一ウォッチし、「匂わせ投稿」を見つけては晒す、という行為も一部では行われてきた。画像にその芸能人が広告する商品が映り込んでいたり、その芸能人のイメージカラーや出身地にわざわざ言及していたり……といった投稿が「匂わせ」と言われる。
実際に「匂わせ投稿」に見えるものも少なくないものの、「匂わせ」を探すことが目的化してしまうと何でもかんでも「匂わせ」に見え、「推理」がポンコツめいてくる。