能登半島地震で村田製作所やサンケン電気が被災、万博や原発再稼働にも飛び火…日本経済への影響は?Photo:Bloomberg/gettyimages

1月1日、石川県の能登半島を襲った最大震度7の大地震は正月気分を吹き飛ばした。被災地への交通手段は寸断され、被害の全容はいまだ見えない。能登半島地震は日本経済にどう影響するか。(ダイヤモンド編集部 能登半島地震取材班)

1週間を超えても被害の全容はつかめないまま

 被害総額は推定で8163億円──。能登半島地震による経済損失について、野村総合研究所の木内登英氏は暫定的にこう試算する。

 元日に発生した能登半島地震による死者は1月9日午後2時時点で202人、安否不明者102人と、発生から1週間を超えても被害の全容はつかめないままだ。

 帝国データバンクによると、能登地方に本社を置く企業数は4075社で、売上高の合計は1兆3018億円にも上る。また、従業員数の合計は4万9728人だ(2023年11月時点)。

 業種別では建設業が1453社と最も多く、サービス業の768社、製造業の632社と続く。一方、売上高では製造業が4346億円と最大で全体の約3分の1を占めている。

 能登地方の製造業は繊維工業や金属加工、工作機械、エレクトロニクス産業などが多く、「能登地方や北陸全体からの部品供給などの停滞や遅延が今後次第に顕在化するとみられる」と帝国データバンクの担当者は指摘する。