昨年11月に起きた米オープンAIの内紛は、顧客が1社の技術に依存しすぎるリスクに危機感を持つきっかけとなった。同社の事業に長期的な影響が及ぶ可能性がある。オープンAIのソフトウエアを使用している複数企業の幹部が、どの企業で問題が起きてもリスクから身を守れるよう、他社の技術との併用を検討するようになったと話す。オープンAIの競合各社は、この機に乗じて顧客を獲得したい考えだ。オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が取締役会によって解任され、その後復帰した11月の騒動の後、米小売り最大手ウォルマートでは幹部が集まり、人工知能(AI)ツールを構築する際に初めからオープンAIに頼らないよう技術チームにくぎを刺した。さらに、社内のAIソフトが稼働不能にならないよう、オープンAI製を含む複数のAIモデルの切り替えが可能な自社開発プラットフォームを維持するよう指示した。事情に詳しい関係者が明らかにした。