起業家の2024年のToDoリストに新たなタスクが加わった。「アルトマンされないようにする」ことだ。新興企業のトップ更迭はこれまでもあったが、注目の人工知能(AI)企業、オープンAIの取締役会が昨年11月にサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を解任したことで、起業家の世界に衝撃が走った。昨年指折りの成功を収めた企業の「顔」が突然、その立場を追われたのだ。スタートアップ界では創業者やアドバイザーらが新たな自己防衛策について議論し始めた。アルトマン氏は結局、対抗措置を講じてオープンAIに返り咲いた。だが米国最大級の新興企業における緊張の背景には、急成長し始めた企業を誰が支配すべきかという長年の論争がある。創業者は自らの雇用を、投資家は自らの資金を守りたいと望む、ビジネスにおける本質的な対立といえる。
スタートアップ起業家が恐れる「アルトマン化」
オープンAI騒動で解任リスク露呈、防衛策に乗り出す創業者たち
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