日鉄のUSスチール買収審査、選挙イヤーの風圧強くPhoto:NurPhoto/gettyimages

 バイデン米政権は、米鉄鋼大手USスチールが合意した日本企業への身売り案件について精査する準備を進めている。工業の象徴としての存在感が薄れた同社の運命は、米製造業の力をどのようにして回復するかを巡る選挙イヤーの議論に巻き込まれている。

 先月の身売り発表当日の朝以降、USスチールと日本製鉄の弁護士は、米財務省当局者と数回にわたり協議している。事情に詳しい関係者らが明らかにした。電話やメールでのやりとりの焦点は、対米外国投資委員会(CFIUS)への書類提出のプロセスだという。CFIUSは米財務省が主導する省庁横断の委員会で、外資による投資案件が国家安全保障上の脅威となる場合に、当該案件の阻止を大統領に勧告する権限を持つ。

 USスチールと日本製鉄がCFIUSに正式書類を提出すると、バイデン政権は90日以内にこの案件を精査しなければならない。CFIUSは毎年、数十件の投資案件を審査しているが、大統領に阻止を勧告することはめったにない。