10年間で2万体が退院
ぬいぐるみ病院で行う治療とは

 峰田さんと同様の悩みを抱える人々が多く訪れているのが「ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会 ぬいぐるみ病院」だ。2013年に開院し、10年間で約2万体のぬいぐるみを治療した実績を持つ。

「治療」を受けてすっかり元気になったぬいぐるみ「治療」を受けてすっかり元気になったぬいぐるみ 画像提供:ぬいぐるみ病院

「当院は、ご家族の一員である大切なぬいぐるみのための専門病院です。私たちは、ぬいぐるみをモノではなく、ひとつの『命』として扱っているので、修理・修繕とは言わず、人と同じように患者さまと呼び、入院、治療などの用語を使っています」

 そう話すのは、ぬいぐるみ病院理事長の堀口こみち氏。同院には、内科、外科、整形外科、耳鼻科などの診療科があり、「顔・体の再生手術」や「皮膚(生地)の移植手術」といった多種多様な治療を行っている。

ぬいぐるみ病院で理事長を務める堀口こみち氏ぬいぐるみ病院で理事長を務める堀口こみち氏 画像提供:ぬいぐるみ病院

「病院機能だけでなく、シャンプー&トリートメントや綿の入れ替えを行うエステサロンも運営しています。入院費用は治療内容によってまちまちですが、一般病棟の場合は基本の入院費用と治療費用、オプションなどを合わせて4万~5万円ほどになる患者さまが多いですね。また、入院期間は軽度から中度のケガなら3週間~2カ月ほど。重症患者はICU病棟に入院し、退院まで半年以上かかるケースもあります。ICUの場合は治療費が10万円ほどになりますね」

 ICU病棟への入院申し込みが最も多い、と堀口氏。重症患者の手術は「少し触れるだけで、枯れ葉のようにパリパリと皮膚(生地)が剥がれてしまう状態からの皮膚移植手術」や「ほぼすべての体毛を一本一本植毛する手術」など、多岐にわたる。

「ICU病棟では、元々の皮膚や表情を残したり、色味を変えない染色をしたりなど、高度な技術を駆使して治療を行います。過去には、お顔をなくして体だけで過ごしていたうさぎさんのお顔の再生手術も行いました。依頼主さまの結婚式に参列するために入院され、退院後は無事に式に参加されたそうです」

 依頼主の年齢層は30~50代が中心。海外からの問い合わせもあるという。