筆者だったら吉本にこんな声明を書いてもらう

「そこまで言うのなら今回のケースでお前ならどうしたのか」と思うだろう。筆者だったら、まず松本さんのSNS発信を控えてもらう。企業不祥事で社長が謝罪会見している時、社員がSNSでまったく異なる話をしたら大炎上になるように「情報の窓口を一つに絞る」というのは危機管理の基本中の基本だ。

 そして、次に必要なことは、恐怖の感情を一旦受け突めながら、自分の認識は違うということを丁寧に説明していくことだ。

 筆者であれば、次のような声明を出すことをすすめるだろう。

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本日発売の一部週刊誌において、当社所属タレント ダウンタウン 松本人志(以下、本件タレント)の、8年前となる2015年における女性との性的行為に関する記事が掲載されております。

松本本人に確認したところ、当該の飲み会があったということは記憶をしているものの、記事中で説明されていることは、松本や出席した他タレント側から見ても多数の事実誤認があるということです。

また、記事内で女性側が松本の言動に「恐怖を感じた」と訴えていますが、こちらに関しても松本側にはそのような言動をした記憶は一切ないということです。

記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです。しかしながら、恐怖を感じたという一般女性が誌面に登場したのも事実です。松本としても代理人を立てて事実確認等を続けながら真摯に対応をしていきたいと申しております。

このたびの報道でファンの皆様や関係者に多大なご心配をおかけして申し訳ありません。今後は当事者間で話し合いを続けてまいりますので、松本と女性双方への誹謗中傷が起きぬよう、メディア関係者におかれましては、くれぐれも冷静かつ客観的な報道をよろしくお願いいたします。
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 先月27日に吉本興業が発表したコメントと読み比べていただきたい。どちらも文春報道については否定をしているところは同じだが、女性の「恐怖を感じた」という感情までも否定しないことで、受ける印象はまったく異なるのではないか。