災害などの場合には、消防署や警察に届けた時点で、マスコミからの問い合わせが入ります。警察とマスコミは、ほぼ同時に動くと思って間違いありません。

 事件性のある問題が生じて警察の捜査が入る場合にも、その動きはすべてマスコミに筒抜けです。ですから、マスコミへの対応方針はすぐに決めなければなりません。方針を決めるにあたっては、事態の重要性、社会性、マスコミの問い合わせ状況を考慮します。

人命にかかわる場合には、
迅速に発表する

 特に人命にかかわるような社会的影響の大きい事件・事故などについての最初の発表は、発生から2時間以内を目指します。最初の発表方法としては、記者会見、プレスリリースの配布や配信、ホームページへの掲載等です。

 社会的影響の少ない事故・事件の場合には、マスコミへの発表をしなくてよいのか、というところが判断の分かれ目になります。企業側からすると不祥事や事故、事件、欠陥品などは隠したいという心理が働くため、「この程度の問題はたいしたことはないだろう、社会の関心事ではなかろう、マスコミに発表するほどではないだろう」と判断しがちです。

 事件・事故などは消防署や警察に連絡をするため隠しようがないから、発表せざるを得ません。けれども、欠陥品や不祥事になると必ずしも表面化するとは限りません。そうなると、隠せるものなら隠しておこうという心理が働きます。当事者になるとどうしても客観的な判断ができなくなってしまうので、このような重要な判断をしなければならない場合には、広報の専門家やリスク対策の専門家など、社外のコンサルタントなどを活用するとよいでしょう。

個人情報流出の場合は?

 個人情報流出で企業側が脅迫された場合はどうなるでしょう。この場合は複雑です。