米ニューヨーク州クイーンズ在住のスティーブン・テイシェイラさんがガールフレンドのノートパソコンを使うようになったのは、ささいなことがきっかけだった。彼女からフィットネスクラスに通ったり用事を済ませたりしている間に仕事用の電子メールを見ていてほしいと頼まれたのだ。2人が暮らすマンションで新型コロナウイルス禍を乗り切ろうとしているうちに、テイシェイラさんは誘惑に負けてしまった。ガールフレンドは米金融大手モルガン・スタンレーでエグゼクティブ・アシスタントを務めており、彼女のカレンダーの招待状には同社が関与するM&A(合併・買収)案件に関する会議のものもあった。決済処理会社のコンプライアンス担当重役を務めるテイシェイラさんはこの情報に基づき、当該案件が正式発表される前に売買を行った。その結果、彼は数千ドルの利益を手にし、情報を提供した友人からロレックスの腕時計をもらえることになった。さらに、インサイダー取引を扱う連邦当局の調査対象となった。テイシェイラさんは昨年6月、12件の詐欺罪で有罪を認めた。
インサイダー取引、情報源は在宅勤務中の交際相手
漏えい源がパートナーの「ピロートーク」から電子メールや電話会議に
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