暗号資産(仮想通貨)ビットコインに連動する米上場投資信託(ETF)の取引が相次いで始まったことで、投資家は二重の悪影響を被る恐れがある。投資家はビットコインの保有者として、仮想通貨の目的そのもの、ひいては長期的な価値を損なうことになる。また、ビットコイン現物ETFは人気のさなかに取引が始まったため、投資家は高値づかみをしてしまい、過去に多くのテーマ型ファンドで犯した過ちを繰り返す可能性がある。一つ目の問題から考えてみよう。ビットコインの存在意義とは何だろうか。元々は少額のオンライン取引を可能にするために設計されたものだが、コストの高さと煩雑な決済プロセスのため、この試みは「惨敗」している。仮想通貨としては、より規模の大きい決済に使えるかもしれないが、今のところほとんど使われていない。匿名通貨としては、ある程度はその利用を政府の目から隠すことができるため、犯罪者が考えているほど有用ではないものの、犯罪者の間で人気が高く、秘密保持のために多額の支払いをいとわない人にも人気がある。
ビットコインの問題、現物ETFが悪化に拍車
さらに多くの投機家を呼び込み、危機時のビットコインの低パフォーマンスを悪化させる恐れ
有料会員限定
あなたにおすすめ