「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
具体化の超基本は「5W3H」
「何が言いたいのか、イマイチよく分からない…」と言われる人の話は「具体的」でないことが多いと思います。
具体的に物事を伝えられるようになるために、真っ先にすべきことは、「5W3H」を使うことです。
「5W3H」というのは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How many(どのくらい)」「How much(いくら)」で、情報をわかりやすく伝えるための基本です。
文章の場合はより重要に!
上司に何か報告をしたときに、「それってどういうこと?」「ちょっと、わからないところがあったんだけど」などと聞き返される場合は、大抵この「5W3H」のどれかが抜けています。
また、言葉で伝える場合なら、相手が「どういうこと?」とその場で質問してくれる可能性が高いので、その場で不足を補うことができます。しかし、文章の場合はそうもいきません。
たとえば、新サービスの案内メールを取引先各位に送った場合。もし、受け取った人がそのサービス内容に少し興味を示したとしても、肝心のサービス開始日時が漏れていれば、わざわざ問い合わせすることもなく、記憶の片隅においやってしまうでしょう。
これでは、せっかくの努力が台無しです。努力を無駄にしないためにも、特に「事実」を具体的に洗い出す際の「5W3H」に抜け落ちがないか、しっかり確認しましょう。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。