「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

スマホでできる! 語彙力がたちまちアップする超簡単な方法Photo: Adobe Stock

語彙力アップの基本動作は知らない言葉を「調べる」こと

語彙力が高い人ほど言葉に対して敏感です。この言葉は本当に正しいのだろうか、この言葉の定義を自分は理解しているだろうか、ほかに適切な言葉はないだろうかと。
意味があやふやな言葉に出会ったとき、彼らは「正しく言葉を知るチャンス」とばかりに必ず調べます。知らない言葉を放置せずに意味を調べるというのは、語彙力アップの基本動作なのです。

ひと昔前は、紙の辞書で調べるしかありませんでした。しかし、今はスマホがあります。わざわざ辞書を持ち運ばなくても、気になる言葉をいつでも調べることができます。
Web辞書や検索エンジンなどだけではなく、ChatGPTも便利です(ChatGPTで語彙力を増やす方法は本書のp66を参照)。
ここでは、スマホで言葉を調べる方法を3つ紹介しましょう。

「~とは」検索をする

言葉を調べるやり方の中でも、一番手軽なのは「とは検索」と呼ばれるものです。知りたい言葉の後ろに「とは」をつけてWeb検索をする方法です。
たとえば、「リテラシーとは」とか、「リソースとは」のように入力します。そうすると、検索結果の大体上位5つぐらいは、その言葉の意味について解説したサイトが表示されます。

検索する対象は、まったく知らない言葉だけではなく、ちょっと意味が曖昧な言葉も含めることをおすすめします。なんとなくわかっているけど、人に説明できるほどではない言葉ってけっこうありませんか? それらの言葉をぜひ検索してみてください。

「類語」を調べる

言葉を適切に使うためには、大意は同じだけど、実は微妙にニュアンスが異なる言葉のストックを増やすことが大切です。つまり、類語をたくさん知っておこうということです。

検索窓に「○○ 類語」と打ち込めば、類語がたくさん表示されます。たとえば、「そそっかしい」という言葉。類語をGoogleで調べると、「疎放」「うかつ」「粗忽」「不注意」「卒爾」「いい加減」などが出てきます。すると、「そそっかしい」よりも「うかつ」のほうがこの場面には合っている、と気づけたりするのです。

「疎放」や「粗忽」「卒爾」なんて、ほとんどなじみがない言葉ですよね。類語を調べることで、新たな言葉に出会う機会も激増します(一例として、ビジネスシーンで使える感情表現の言い換え語を本書では紹介しています)。

「対義語・反対語」を調べる

類語と同じように、対義語や反対語を調べることもおすすめします。「〇〇 対義語」と検索すれば結果が表示されます。たとえば、「几帳面」の対義語を調べてみると「ずぼら」が出てきます。
対義語を調べることによって、言葉のストックが増えるだけではなく、言語化するときに「几帳面な人はこうです。一方、ずぼらな人はこうです」と、対比させることができるので、相手の理解が深まりやすくなります。

*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。