「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
言語化がうまい」って結局どういうこと?
本書では、言語化力を高めるための実践的な方法を紹介していますが、まずはその前に確認しておきましょう。
そもそも、「言語化力」とは何なのでしょうか?
・思ったことをスラスラ言葉にできる力
・語彙が豊かで言葉を適切に使いこなせる力
・ひろゆき氏のような論破の達人が持っている力
色々な考え方があると思いますが、ゴールが見えないまま努力をしても目的地には一生たどり着けません。
だからまずは、これから私たちが目指すゴール、すなわち「言語化力」とは何かを共有しておきましょう。
本書における定義はこうです。
【本書の定義:言語化力】
頭の中にある考えや思い、情報などを
的確に言葉にし、
相手にわかりやすく伝える力のこと。
そのためには、実は必要十分な3つのSTEPがあります。それが下記の3つのSTEPです。
STEP1 「語彙力」を伸ばす
知らない言葉は使えません。語彙が貧しいと、事実や感情、意見などを表すぴったりくる「言葉」を
見つけることができません。ですから、「語彙力アップが言語化の第一歩」だということは、自明でしょう。
STEP2 「具体化力」を鍛える
伝える内容があいまいだと、受け取る方もあいまいにしか受け取れません。そのために、情報の解像度を上げることは必須です。少なくとも伝える側は映像を浮かべられるくらいまで内容を具体化することが大事です。
STEP3 「伝達力」を磨く
「伝達力」とは「伝える力」のこと。伝える側に語彙力があり内容が具体化されていても、それが相手に理解されなかったり、欲しくない情報だったりすると、スルーされてしまいます。最後のステップで、相手に「伝わる」ように、表現や伝える順番を工夫し、相手が欲しいと思っている情報を届ける工夫をします。
言語化を苦手とする人の多くは、この3STEPのどれかに弱点があります。本書ではそれぞれの力の高め方を具体的にご紹介していきます。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。