世界的な紛争や保護主義によって国際商取引が冷え込み始め、欧州大陸の成長に打撃を与える中で、欧州の対外通商関係は苦境に陥る見込みだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が今月公表した報告書によると、世界の貿易は現在、経済より拡大ペースが遅く、冷戦終結以降に広がった貿易中心のグローバリズムからの根本的変化を示している。こうした貿易の鈍化は中国などでの保護主義の高まりや紛争による混乱に起因していると、BCGは指摘する。BCGは「貿易に関する新たな世界秩序の特徴は、(地域)貿易圏の役割がより顕著になることだろう。こうした貿易の冷え込みは、世界貿易地図の再編の一環だ」と述べた。中国と同国の主要なライバルである米国との貿易は絶対額ベースで2032年までに2022年から1970億ドル(約29兆2000億円)減少するとみられる一方、このシフトによる主な勝者は、中国との貿易が急増するとみられる東南アジア諸国になると予想される。