中国の2023年の経済成長率は5.2%となり、3%にとどまった前年から拡大した。新型コロナウイルス禍前は6%以上の成長率が当たり前になっていた投資家にとって、これは極めて低い水準だ。大きな政策転換がない限り、24年も同じような状況が続くだろう。17日発表された昨年12月分の中国経済指標には、好材料もいくつかあった。固定資産投資は10月まで8カ月連続で伸びが減速していたが、11月に横ばいとなり、12月にはやや加速した。これは11月以降に金融環境がやや緩和したこととも合致している。12月の社会融資総量は前年同月比9.5%増と、5月以来の伸びとなった。だが、全体として見れば状況はまだ厳しい。公式統計によると、昨年の都市部の可処分所得は実質で4.8%増にとどまった。2020年と2022年を除けば、これは少なくとも2002年以来の低い伸びであり、2016~19年の四半期平均をほぼ1ポイント下回る水準だ。消費者心理は低迷したままで、消費者金融はほとんど伸びておらず、住宅価格は下がり続けている。