(2)良好な人間関係が築ける
マネジメントを機能させるには、部下と本音で語り合うことが不可欠です。そのためには、人間関係を良好にして、「この人であれば、何を話しても大丈夫」と思わせることが必要です。
個別ミーティングの中で、上司・経営者が「自己開示」を行えば、雲の上の存在ではなく、心の距離が近くて、話がしやすい存在に変わります。結果としてコミュニケーションが充実し、良い人間関係が築けます。
「自己開示」といっても、難しく捉える必要はありません。たとえば、失敗談を話すことで、部下は「上司でも過去に失敗をしていたんだ」と思い、安心できます。本題に入る前の雑談の中で、趣味やプライベートでの出来事を話題にすれば、上司に親近感を抱くでしょう。個別ミーティングの場に限らず、普段から自己開示をしていきましょう。
(3)あなたの思いがしっかり伝わる
組織を一つにまとめてマネジメントを行う際、リーダーは自分の思いを部下にしっかりと伝えなければなりません。個別ミーティングは、思いを伝える機会として最適です。きちんと理解しているかどうかを確認しながら話を進めることで、確実に伝えることができます。
ただし、個別ミーティングの場は、あくまで部下の話を聞くことが主です。上司・経営者の独演会にならないように注意してください。
「話したいことはありません」と
部下に言わせない秘訣
個別ミーティングの場で困るのは、「何か悩んでいることはないですか?」と上司・経営者が質問した際に、部下から「特にありません」という答えが返ってくることです。「悩みや問題を抱えていることを上司に知られると評価が下がるのではないか」と不安に思うことが理由です。そうなると、そこでミーティングが終了してしまいます。
対応策としてお勧めなのは、「個別ミーティング準備シート」の活用です。ミーティングを始める前に、部下に「前回からの振り返り」「抱えている問題、課題」「今日、話をしたいこと」などについて、開始の5~15分前までにシートに書き出してもらいます。書くことで、自分の行動や思考を振り返ることができ、頭の中が整理されます。書かれたことを元に話をすればスムーズにミーティングが進められます。