よく似た制度の「メンター制度」は、新人教育の進捗(しんちょく)管理やメンタル部分のサポートまで行うことが求められますが、少人数の現場の場合は、先輩スタッフに負担がかかり過ぎてしまいます。「バディー」制度は、もっとカジュアルな関わり方でサポートします。新人が一人で仕事ができるようになるまでの期間、気軽に質問や相談ができる存在になるのがバディーの役割です。

 上司や先輩社員は、新人から見るととても忙しく見えます。業務が立て込んでいるときは、表情が硬くなり“近寄らないでオーラ”を放っている人もいます。新人が、分からないことがあったり、相談したいことがあったりしても、眉間にしわが寄った険しい顔つきの上司、先輩には話しかけにくいものです。しかし、バディーがいることで、気兼ねなく悩みを打ち明けられるでしょう。

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 バディーと部下は、週に1回、15分程度時間を取り、個別ミーティングを行います。入社したての時期は、もう少し頻度を上げて話をする機会を設けます。

 私が研修で関わっている企業では、バディーとの個別ミーティングの中で、新人スタッフの悩みを聞き出し、会社として早期に解決策を立てることで離職を防いだケースが実際にあります。

 バディー制度を導入する際の注意点は、バディー役に負担がかかり過ぎないように計らうことです。新人の対応を丸投げするのではなく、上司・経営者が、バディー役のスタッフと定期的に個別ミーティングを行い、サポート体制を万全にしておきましょう。