図書館を訪れると、「ご自由にお持ちください」「リサイクル本」といった張り紙のあるコーナーに、利用者が持ち帰ることのできる本が並んでいることがある。
これらの本は「除籍本」と呼ばれ、傷んでしまったり、情報が古くなったりした場合、図書館が蔵書から定期的に外すもので、しばしば利用者に無償で提供されている。
しかし、一部の利用者は除籍本を転売し、中にはメルカリやヤフオクなどで高額で販売している人もいる。図書館によっては利用者に除籍本の転売禁止を求めており、対応に苦慮している。
除籍本はもともと、税金で購入されたものであり、除籍後にどのように扱うべきなのか、図書館関係者の間でも議論は分かれる。「税金で買った本」の行方は??。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
転売見つけたらメルカリに取り下げ要請も
「除籍本は、けっこうメルカリで販売されており、見つけたときはメルカリに連絡して、取り下げてもらってます」
そう話すのは都内の公立図書館の司書だ。この図書館では定期的に除籍本を利用者に無償で譲渡しているが、図書館の要項では、除籍本を古書店などに転売することを禁じている。ところが、持ち帰った除籍本をメルカリに出品する利用者が絶えないのだという。