「何でも屋」だからといって、もはや何でもできるわけではない。アマゾンにとって肝心なのは、正しいことに集中することだ。
電子商取引(EC)の巨人であるアマゾンにとって、1年前と比べて多くのことが大幅に改善されているように見える。同社は29日、動画ストリーミングサービス「プライム・ビデオ」に広告を正式に導入した。これは同社の広告事業をさらに加速する可能性がある。同社の広告収入は既に年間440億ドル(約6兆5000億円)近くに上り、プライム・ビデオは米ストリーミング市場でネットフリックスに次ぐ2番目の普及率を有すると広く推定されている。モフェットネイサンソンのアナリストは26日、今回の措置によってアマゾンは来年、動画広告収入が20億ドル以上増える可能性があるとの見通しを示した。
アマゾンは他の事業分野でも勢いを盛り返している。ファクトセットがまとめたアナリスト予想によると、2月1日発表予定のアマゾンの2023年度売上高は前年比11%増になる見通しだ。22年度は同9%増と初めて1桁増収となった。23年度利益はさらに伸びたようだ。アナリスト予想によると、営業利益は340億ドルとなり、利益率は6%と過去最高に達する見通しだ。22年は新型コロナウイルス禍の物流網の大幅拡大コストが依然影響し、営業利益率は2.4%と過去5年間で最低水準だった。