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米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムはまだ、あなたの冷蔵庫代わりにはなっていない。だが食料品市場の大きさと重要性こそ、アマゾンを挑戦に駆り立てているものだ。
アマゾンは何年も前から食料品事業に参入している。2006年に自社のウェブサイトで初めて食料品を扱い、11年後には高級スーパーマーケット大手ホールフーズ・マーケットを131億ドル（現在の為替レートで約1兆7700億円）で買収。ほどなくして実店舗を開くと、さまざまな新技術を導入した。買い物客が手に取ったものを感知して自動的に決済を済ませる「ジャスト・ウォークアウト」や、商品をスキャンしてカートに入れるだけで支払いが完了する「ダッシュ・カート」などだ。最近では手のひらをスキャンするだけで支払いができる「アマゾン・ワン」まで登場した。
驚きの機能ばかりだが、成果は微々たるものだ。調査会社ニューメレーターの最新データによると、年間売上高が5250億ドル近いアマゾンが米国の食料品市場に占めるシェアは、ホールフーズを合わせても3％強に過ぎない。ウォルマートは会員制量販店サムズ・クラブを合わせるとシェアは30％に上る。クローガーは11％だ。
