家庭ごみの回収も
全国で有料化される日が来る
そしてここからがもっと重要なことなのですが、これまで無料ないしはタダ同然だったサービスは、救急車だけでなく他の分野でも日本の中でどんどん有料化が進むことが予測されます。公的無料制度には限界が来ているというのがその理由です。いくつか、例を挙げていきましょう。
まず今後、どこかの段階で有料化が予想できるものの一つがごみの回収です。すでに有料化(一部有料化も含む)を行なっている自治体も多いものの、私の住んでいる自治体では事業系ごみは有料ですが、個人の家庭から出るごみは無料で回収してくれます。個人の家庭ごみでも粗大ごみは有料です。
そのため粗大ごみはお金がかかって大変だと考える人もいるわけですが、実はその処理料金は事業系のごみに比べればタダ同然に思えるほど安いのです。粗大ごみの回収のかなりの部分は自治体が補助しているのです。
そして昨年末、私の住む自治体では粗大ごみの回収料金が値上げされました。この動きは、徐々に本当に必要な処理費用に近づけていくという狙いだけでなく、普通の家庭ごみと違って値上げしやすいという事情もあるのでしょう。
ごみの回収は本当はゴミ袋一袋で300円ぐらいのコストはかかるものです。ごみ処理場の処理能力にも限界はありますし、有料化には無駄なごみの発生を抑制する効果もあります。
ですから、すでに行っている自治体もあるものの、都市部を含めた日本全国の家庭ごみの処理料金はいずれどこかの将来で有料化されるとわたしは予想しています。人口が減少し、高齢化が進むという点では救急車もごみ回収も抱える問題は同じです。いずれタダではなくなる日が来る覚悟は必要だということです。