通販の送料、銀行手数料も
有料化の可能性が高い
どんどん話を進めます。何かを送る、送ってもらうということも、これまで意識の中ではタダ同然だったものが変わりそうです。
インターネット通販がわかりやすい例で、送料無料だから買うという人が多いわけですが、実際は送ってもらうのにはコストがかかっています。
そのコストが、物流の2024年問題でさらに上がります。コストが増えるだけではなく物流業界全体で人手が足りなくなりますから、現状はおそらく維持できなくなるはずです。
そして論理的に考えてみれば、この問題の構造は救急車と同じです。値段が高くなれば通販で買う人が減るわけで、その力は物流業界がパンクすることを予防する方向に働きます。
物を送るだけではありません。最近、銀行の送金手数料が値上がりしています。うちの会社の例で、お話しします。以前は給与振り込みをタダ同然でこなしていました。同じメガバンクに口座を持っている社員だと220円、私のように会社と同じ支店に口座を持っていれば無料だったのです。
ところが昨年、突然その手数料が引き上げられて、法人の場合ATMからキャッシュカードで振り込んでも同じ銀行宛ては一律440円、他行宛ては770円に値上げされました。個人がインターネットバンキングで送金する場合は、無料ないしはタダ同然というケースが多いので個人は気づいていないかもしれませんが、こうして徐々に銀行の手数料有料化も進んでいるのです。