最も価値観が変わったのが
20~30代のDEWKS

 こうした震災後の価値観変化は、どのようなセグメントでより顕著にみられるのか。震災後の価値観の水準と変化から、mifで調査対象となった3万人についてクラスター分析をした結果が図表4である。

 最も価値観が変わったのが、20~30代のDEWKS(子どものいる共働き夫婦)が多く含まれるクラスター3というセグメントであった。震災、原発からの放射能放出によって、将来への不安や、家族の絆を再認識する考えが社会全般に高まっているが、特に幼い子どもをもつ世帯が多く含まれる20~30代の子どものいる世帯では、絆志向や安全安心志向が他のクラスターよりも強く出ている。

 次いで、30~60代の子どものいる専業主婦、20~30代のワーキングシングル男女の価値観変化も大きい。他方、価値観が変わっていないのは会社員の男性であった。これらから、女性、特に、幼い子どもをもつ女性ほど、価値観変化が大きいことがわかる。

新たな時代の女性マーケティング<br />「モノ」づくりから「モノ語り」へ<br />――三菱総合研究所主任研究員 片岡敏彦

 価値観の変化が大きかった女性たちは、自分のライフコースに応じて、家族や友人との絆を深めようとしている。

 たとえば、「家族との信頼関係や触れ合いを大切にしたい」(図表5)「近所の人とのふれあいを大切にしたい」(図表6)という気持ちが震災後に高まったのは、DEWKSや専業主婦である。これらのセグメントの末子年齢の中央値は7~12歳。子どもを中心とした家族との絆、さらには、子どもを通じた近所のママとの付き合いも重視している様子がうかがえる。