インドのインフラ建設を柱に急成長してきたアダニ・グループは1年前、空売りで知られる投資会社ヒンデンブルグ・リサーチの報告書の公表をきっかけに、時価総額が数日間で1000億ドル以上吹き飛んだ。しかし最近は、アダニにとって事態は好転している。少なくとも市場ではそうだ。ヒンデンブルグは2023年1月24日、アダニ・グループが株価操作と不正会計をしていると主張する報告書を公表。それを受けてグループの旗艦企業アダニ・エンタープライゼスの時価総額は大きく落ち込んだが、今はその9割を取り戻している。また、アダニ・グリーン・エナジーのドル建て債券利回りは、昨年2月には40%前後になっていたが、現在は8%をやや下回る水準だ。