年収が上がらない、モチベーションが上がらない ── そんな悩める人たちに「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化・ノウハウ化がすごい」と話題なのが、森武司著『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。FIDIA(フィディア)の森社長は、吉本のお笑い芸人引退後、4年間の引きこもりニート、家電販売員を経て仲間と起業。現在年商146億円、Financial Times「アジア太平洋地域急成長企業ランキング 未上場日本一」、「ベストベンチャー100」受賞、経済産業省選定「地域未来牽引企業」、11事業すべて黒字化、新卒500人採用、創業以来18年連続増収増益を果たした。また、素人ながら化粧品開発に取り組み、あの資生堂を抜き、アマゾン年間売上1位となった注目の経営者でもある。その秘密はデビュー作で一挙公開した「仲間力アップマル秘マニュアル」の6大奥義にあるという。今回は本書の一部を抜粋・編集しながら人生大逆転の法則を見ていこう。
テレワークで
本当に生産性は上がるのか
業種によって賛否両論あるが、僕はテレワークで生産性が上がるとは思っていない。
前日までに申請のない朝一突然のテレワーク希望は禁止にしている。
コロナ禍でテレワークが推奨されたが、フィディアの11事業中10事業で生産性が落ちた。
最初の半年くらいはテレワークのよさが強調されていたが、その後、日報、月報の数字が明らかに落ちてきた。
生産性が上がったのは人材事業だけだった。
人はまわりに人がいないと、集中して何時間も仕事を続けることが難しいように思う。
テレワークだと周囲との連携も難しい。
リアルで同僚がいたら「これできる?」「これどうやるの?」と気軽に聞ける。
だが、テレワークでは時間を決めてオンライン会議に接続し、画面を見ながらやりとりするだけで30分くらい使ってしまう。
テレワークの8時間、リアルの8時間で生産性が高いのは明らかに後者だと個人的には感じている。
キャリアとして財産になるのは
テレワークではない
たとえば、甲子園を目指す高校野球のチームがあったとする。
そこで各自が家で素振りをしたり、壁に向かって一人でキャッチボールや腕立て伏せをしたりするのと、同じ時間を使ってチームが同じ場所で練習をするのとではどちらが効率的だろうか。
どちらのチームが甲子園に進む可能性が高いだろうか。
僕が言いたいのはこういうことだ。
管理職はテレワークでもさほど生産性は変わらないかもしれない。
だが、チームで連携しながら業務をこなす場合、まわりに仲間がいて、パソコン、プリンタ、8時間座れる机と椅子など仕事のしやすい環境が整っていたほうが生産性は上がる。
仕事は社員の成長につながる。
だから成長する環境は会社が用意しなくてはならない。
テレワークを無責任に推奨しながら、テレワークだとさぼる社員がいることを非難するのは経営者失格。
働く環境を用意できていないということだ。
5年、10年を振り返ったときに、キャリアとして本人の財産になるのはテレワークではないと感じている。
(本稿は『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の一部を抜粋・編集したものです)