【就活生必見!】顧客の“人生”に伴走する覚悟と喜び、保険業界の就職動向生保・損保を志す学生に、今も昔も変わらず求められるものとは Photo:Diamond

「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第3弾は「新しい時代の生活を守る業界」として、「保険業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

 保険には、生命保険と損害保険がある。損保の業績は順調で、学生からの人気が高い。人口減少の中で国内だけに頼らず、海外比率を高めている企業もある。

 各社、次世代の街づくり、生活者の安心・安全・健康な暮らしといったストーリーを考えながら、特に生活関連の業務を拡大。医療・介護に注力するなど、生保に近い分野に進出する損保もある。

 最近ではサイバー攻撃のリスクが高まる中、サイバー保険の利用が日本企業の間で広がっている。

 また、自然災害の増加で、建物の損害をAIで自動算定するシステムやドローンによる現地調査など、火災保険や水害保険をスピーディーに支払うテクノロジーが重要視されている。これらに関心があれば、損保で学べることは多い。

生保で活躍するために
必要な資質とは?

 損保の契約期間の多くが1年であるのに対し、生保は短くて10年、長くて30年など、生涯にわたり顧客と向き合うことになる。

 また、巨額のお金を長期間かけて運用していくため、「そうした仕事が好きなら銀行や証券より生保が向いている」(ピクテ・ジャパンの大槻奈那氏)という。

 実際に契約を取ってくるのは、保険外交員の仕事になる。

 顧客の要望はさまざまだ。そのため、単なる商品説明に終始せず、要望をできる限り実現するコンサルタントとしての自覚と能力を持つ必要がある。

 そのためにも、ファイナンシャル・プランナーの資格は取得した方がいい。他にも金融関連の資格をいくつかまとめて取得すれば、ライバルと差を付けられるだろう。

 ただし、顧客と長い付き合いになることが多いだけに、倫理、コンプライアンス、人はなぜ生きるのかといった哲学もしっかり学んだ方がいいというのが、生損保に共通していえることのようだ。