人事部が覆面座談会!インターンシップで「一目置かれる人」になる方法イラスト/生駒さちこ
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2024」の「親子で知る激変インターンシップの勝ち抜き方」を転載し、一部加筆したものです。

“選考の場”になりつつあるインターンシップで、学生にとって気になるのが「参加中にどこを見られているのか」。長年、企業で採用に携わってきた3人が、チェックしている言動、重視する能力から評価の仕方まで、本音で実情を語る。(ダイヤモンド・ライフ編集部、取材・文/溝上憲文)

2023年夏からインターンシップは
公式に採用選考の材料になった

人事部が覆面座談会!インターンシップで「一目置かれる人」になる方法B氏(49歳)大手住宅開発メーカー/人事部担当部長
人事部課長として新卒採用を担当後、部長に。現在、コンプライアンス担当として活躍。

――採用直結型インターンシップが解禁されましたが、実際はどう変わったのでしょうか。

B氏(以降、住宅) うちは以前とほぼ変わりません。夏期インターンシップから事実上の選考が始まります。学生にはエントリーシートを提出してもらい、適性検査を実施しますが、それでも倍率は数十倍だから絞り込む。秋も1、2日のプログラムを繰り返し、クリスマスまでに終了します。

C氏(以降、小売り) 就活の早期化は、一層進んでいますね。夏期インターンシップの前の段階から学生に接触し、インターンシップに誘い込む大手企業も登場しているみたいです。内定を出すか出さないかの違いだけで、選考モードに入っていることは間違いありません。

人事部が覆面座談会!インターンシップで「一目置かれる人」になる方法C氏(51歳)中堅小売り/人事部部長 大手ファイナンス会社、中堅IT企業人事部を経て入社。採用や制度企画など幅広く活躍。

A氏(以降、サービス) 先日会った学生が「外資系のインターンシップに参加した友人は、最終面接も終えて10月に内定をもらっています」と言っていたのには驚きました。外資系は12月の内定出しが普通でしたが、今年は本当に早くなっている。

住宅 実は当社では、優秀な建築系の学生を対象にした非公開のインターンシップを実施しています。専門部署の社員が対応し、ずば抜けて優秀な学生は特別枠で最終面接の前に内定を出しています。もちろん、他社に引き抜かれないためです。

――どんな内容のインターンシップを行い、どう評価していますか。

人事部が覆面座談会!インターンシップで「一目置かれる人」になる方法A氏(45歳)大手サービス/人材開発部部長
同社採用課長・人事部課長を経て、現在、人材育成・中途採用を担当する部署で活躍。

サービス 職種にもよりますが、チームに分けて課題を与え、現場の社員のサポートを受けながら作業を行います。最終日にチームごとに発表しますが、部門の先輩社員が講評するという流れです。

小売り 当社では同様なグループワークに加えて、実習も行います。実際に店舗に出て接客など一連の業務を担当してもらいますが、サポートに当たる現場の社員にも、どの学生が当社にふさわしいかを見てもらっています。

住宅 事務系は個人ワークとグループをメインに実施します。個人ワークは企画提案の課題を出し、学生が出した解決策について中堅社員が総括のレクチャーを行います。技術系は建築物のケースごとに顧客のニーズがどこにあるかを説明し、最後は実際に設計図面の課題を与え、完成した作品を社員が個別に講評するという流れです。実施中は、学生の言動を細かくチェックしています。