「桐島聡容疑者の左隣」の暴力団幹部も逮捕~指名手配ポスターの効果とは?桐島聡容疑者(警察庁のポスターから)

 2020年9月に長野県宮田村で暴力団幹部の男性を銃撃し、重傷を負わせたとして、殺人未遂容疑で全国に重要指名手配されていた指定暴力団「絆会」の幹部、金沢成樹こと金成行容疑者が2月1日、潜伏先の仙台市のアパートで逮捕された。

「逮捕する数日前にフリーダイヤルの番号に匿名で通報があり、仙台市内のアパートの一室を確認したところ金容疑者で間違いないとなった。銃撃犯ということもあり、最悪のケースを考えてアパートの住民を極秘裏にホテルへ避難させ、寝静まったところを見計らって閃光(せんこう)弾を使用して突入した。周囲には銃声のような音が響き、一瞬にして朝のように明るくなるほどで映画のような捕物でした。金容疑者は抵抗もせず、本人であることも認めたので逮捕となった」(捜査関係者)

 この事件をめぐっては、指定暴力団六代目山口組も金容疑者への「報復」のために動いていたようだ。

「山口組も狙っていたはずで、こちらが早く発見できてほっとしている。実は昨年9月ころに、金容疑者が名古屋に潜伏しているとの情報もあった」(前出・捜査関係者)

 金容疑者は3年間も逃亡していたが、それが急転直下の逮捕劇となった。

指名手配の容疑者は市民の通報で捕まる

 警察庁の幹部は、

「指名手配された容疑者は大半が一般市民からの通報で捕まります。懸賞金の効果もあります。金容疑者の逮捕は“桐島容疑者”のニュースが大きく報じられたことと関係が強いと思いますね」

 と話す。

 桐島容疑者は、過激派「東アジア反日武装戦線」の一員で、1974年から翌年にかけて相次いだ連続企業爆破事件に関与したとして、爆発物取締罰則違反容疑で指名手配されていた。

 事件から約50年という年月を経た今年1月25日。神奈川県鎌倉市の病院に「内田洋(ひろし)」の名前で入院している男が、病院側に「自分は桐島聡だ」と伝え、「最期は『桐島聡』で死にたい」などと話したという。末期がんで重篤な状態だったといい、その4日後の29日に死亡した。