「脂肪肝」の恐ろしさとは?
安達 『すばらしい医学』を読んでハッとしたのですが、「脂肪肝」もかなり怖い症状なんですね。
山本 そうなんです。ウイルス性のB型肝炎・C型肝炎や肝硬変、肝臓がんは「怖い病気」だと一般に認知されているのに、脂肪肝の危険性はあまり知られていないという印象があったので、本書でもあえて解説しました。
じつは、肝臓に脂肪が過剰に溜まる病気である「脂肪肝」の中には、肝硬変や肝臓がんにまで進行するものがあります。そして、脂肪肝が生じる原因の1つが「メタボリックシンドローム」だということが最近わかってきているんです。
安達 いわゆる「メタボ」の状態は、本当にリスクが高いですね。そういった最新の知見は、病院で医師に聞けば教えてもらえるものなんでしょうか?
山本 個人的には、自分の知識や最新の知見をシェアしたがっている医師は多いと思います。
なので、たとえば「なぜ脂肪肝は怖いんですか」とか「このまま放っておくとどうなりますか」と聞くと、きっと色々と教えてくれると思います。疑問に感じることがあれば、ぜひ質問してみてください。
安達 ちなみに、病院に行くべきか迷ったときに、その判断に役立つ情報をネットで手に入れることはできますか?
山本 可能ですが、ネット上には明らかなウソも含めてさまざまな情報が入り乱れているので、信頼性の高いものを見抜くリテラシーが必要です。私は、学会や公的機関が一般向けに発信している情報サイトの活用をお勧めしています。
安達 そんな便利なサイトがあるんですね。
山本 知名度が低いのがネックではありますが、医師や専門家が監修して、複数人で内容をチェックをしたうえで公開しているので信頼性が高く、科学的根拠に基づいていることが多いです。
私が運営しているウェブサイトでは、そういったサイトのリンク集(*)をつくっているので、もしよかったらチェックしてください。
逆に、そうしたサイトを見ても解決しないような症状で困っているなら、病院できちんと診察してもらった方がいいと思います。
(本稿は、『すばらしい医学』の著者・山本健人氏へのインタビューをもとに構成しました)