韓国で120万部のミリオンセラーとなった話題書がある。『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』だ。精神科医である著者が「自尊感情(≒自己肯定感)」の回復法を指南した一冊である。「些細な事を気にしすぎる」「パートナーとの喧嘩が絶えない」「すぐに人と比べて落ち込む」「やる気が出ない」「不安やゆううつ感に悩んでいる」「死にたいと考えてしまう」など、多くの悩みは自尊感情の低下が原因だと本書は伝えている。そして、その回復法を教えてくれる。本書の一部を特別に紹介する。(初出:2021年9月1日)

ストレスを抱えやすい人に精神科医が教えたい「自分の甘やかし方」とは?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

言い訳してでも自分を甘やかそう

 もう少し人生を楽に生きたいのなら、自分に「大丈夫」という言葉を頻繁に掛けてあげましょう。私たちは長い間、他人と競争し、比べられ、否定されながら生きてきました。よって、必要以上に自分のことをおかしな人間だ、未熟な人間だと罵倒し続けてきたのです。

 私たちの心は、悔しさや悲しみに取りつかれています。だからこそ、今からでも、少し大げさなくらいに自分のことを慰めてあげるべきです。

 そう言うと「それでは、あまりにも自分を正当化しすぎるのでは?」と懸念する人もいるかもしれません。良い質問だと思いますが、そうはなりません。

 これまで、あまりにも自分を卑下しすぎていたとか、抑え込んできた人なら、なおさら自分に「大丈夫」と言ってあげるべきです。自分を卑下しすぎていたのはあなたのせいではありません。それを強いてきた社会システムや教育のせいです。それらのせいにしてもいいでしょう。

 やりすぎだと思うくらい自分に寛大になり、合理化すべきです。「自己正当化でも大丈夫だ」と言ってあげましょう。ただただ「大丈夫。今まで大変だったね」と自分に言ってあげましょう。

(本原稿は、ユン・ホンギュン著、岡崎暢子訳『どうかご自愛ください』からの抜粋です)

ユン・ホンギュン
自尊感情専門家、ユン・ホンギュン精神健康医学科医院院長
中央大学校医科大学を卒業し、同大学医科大学院で博士課程を修了。京郷新聞、韓国日報、月刊生老病死などへの寄稿のほか、FMラジオ交通放送「耳で聞く処方箋」などの相談医としても活躍。韓国依存精神医学会、韓国賭博問題管理センター、中央大学ゲーム過没入センター、性依存心理治療協会、校内暴力防止のための100人の精神科医師会などで活動。主に関心を寄せている分野は「自尊感情」と「依存」。初の著書『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』が韓国で120万部のミリオンセラーに。