30代で東証プライム上場企業の執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)となった石戸亮氏が、初の著書『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)で、デジタル人材の理想的なキャリアについて述べています。
デジタル人材は、ビジネスの現場でどのように求められているのか。
本当に需要のあるデジタル人材として成長するためには、どんなスキルを身につければいいのか。
デジタル人材を喉から手が出るほど欲している企業に迎え入れられ、そこで重用されるには、どんな行動を取ればいいのか。
本連載では、デジタル人材として成長するためのTo Doを紹介していきます。
社外に3人以上メンターがいるのが理想
「社外の優秀な人」とつながりを持つことはとても大事です。ビジネス感度の高い人はいずれも自然にやっていますが、そのメリットは大きく2つ。
ひとつは、自社以外の価値観に触れられること。長く同じ会社にいると、思考や発想がその会社の価値観、枠組みの中に知らず知らずの間に囚われてしまって、ブレイクスルーができません。自社の当たり前は他社の当たり前ではない。それを主体的に身をもって知る必要があるのです。
もうひとつは、自社内ではもらえないアドバイスを「斜め上」くらいからもらえること。社内からのアドバイスは、その社員の部署が業務を達成することを基軸にしたものが多いですが、社外の人は「市場がこうだから」「君自身のために」という観点で社内の利害など関係なく、中立な立場でアドバイスをしてくれます。結果、間違いなくあなたを成長させてくれるでしょう。
外部の優秀な方、有識者などからもらったアドバイスは、「社内の説得材料」として有効であるという側面もあります。ウィンザー効果(他者を介して発信された情報のほうが信頼性を獲得しやすいとする心理効果)というのがありますが、社内からの指摘より社外からの指摘のほうが、多くの人は素直に耳を傾けますよね。
私の感覚としては、メンターとしてアドバイスをしてくれる外部の優秀な人が常に3人はいるのが理想です。
では、そういう社外の優秀な人たちとどうやって知り合うのか。てっとり早いのはビジネスカンファレンスなどのイベントに参加することです。私の場合、マーケティングイベントで知り合うケースが多かったと思います。
正直言うと、私はサイバーエージェント時代は社外の人脈が少なく、その手の社交の場に行って初対面の人と交流するのがすごく苦手でした。その後に決まって開催される懇親会も、もれなく苦痛。でも、色々な会社の人と知り合えるチャンスではあったので、勇気を振り絞って顔を出すようにしました。すると少しずつ慣れ、人脈も広がっていき、仕事の成果にも徐々につながり、だんだん人との出会いも楽しくなってきました。
こういったイベントやセミナーは、ネットで検索すれば関連業種のものがすぐヒットするので、最低でも3、4ヵ月に1回くらいは顔を出すのがよいと思います。
※本稿は『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。