サイバーエージェントで新規事業立ち上げなどを数多く経験してきた椿奈緒子氏は、新規事業のためのリサーチとして競合他社などの「リリース」を読み込むメソッドを活用している。なぜ、「リリース」が重要なリサーチソースになるのか。特集『リサーチ力 最強のビジネススキル』(全9回)の#4では、その手法の内容を、実際の社名を挙げた具体的な事例と共に紹介する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
新規事業リサーチに有効な
プレスリリースを「読む」&「書く」
新規事業のためのリサーチには、競合企業が公表している「プレスリリース」を有効活用せよ――。
そんな聞き慣れないメソッドを提唱するのが、新規事業開発に長年携わってきたメンタリング代表の椿奈緒子氏だ。
椿氏は、新卒でとある総合商社に入社後、新規事業開発を専門にすべくサイバーエージェントに転職。社内連続起業家(シリアルイントレプレナー)として七つもの新規事業を立ち上げ、サイボウズとの合弁で2005年に設立したcybozu.netではCEO(最高経営責任者)を経験するなどの実績を重ねてきた。現在はフリーランスとして、プロ人材マッチングサービスのキャリーミーなどを活用しながら、企業の支援を行っている。
新規事業のためのリサーチと聞くと、大掛かりな市場調査や消費者アンケートといったものを連想するかもしれないが、椿氏が提唱するプレスリリースの活用であれば、誰でも簡単に無料で資料を手に入れることが可能だ。その活用術とは、一体どのようなものなのか。
次ページでは、プレスリリースが“使える”理由に加え、「ウェブメディアの新規事業」をテーマに、実在する企業のプレスリリースを用いた分析の事例を紹介する。新規事業だけにとどまらない、誰でもできる競合事例の分析の教科書としても活用できるはずだ。