工業部門の企業は化石燃料を燃やさずに鉄鋼やセメント、化学製品などを製造する方法を模索している。問題解決策の一つとして世界の有力投資家の間で期待が高まっているのが、開発が加速する熱電池だ。米資産運用大手ブラックロックやサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ、英豪資源大手リオティントなどが、熱電池を開発するスタートアップ企業に巨額の資金を投資している。熱電池は再生可能エネルギーを使って固体ブロックや岩石、溶融塩を熱する。発生した熱は必要に応じて放出され、製造工程で必要となる電力を供給する。電気を使って熱を発生させるのは目新しいことではない。オーブントースターもそうだ。トースターとは異なり、熱電池は輸送用コンテナほどの大きさで、カ氏2750度(セ氏1510度)という、太陽の表面温度の4分の1以上の高温の蒸気を放出する。熱を利用する時まで電池を高温に保つことが鍵となる。
熱電池への投資が拡大 脱化石燃料で期待
鉄鋼などの製造工程において熱電池は化石燃料を代替する可能性がある
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