● か=考えさせる質問

 言葉の通り、子どもに自分で考えさせる質問です。ことあるごとに「あなたはどうする?」と聞いてみましょう。これは、この後の質問の土台となるものです。

● き=企画させる質問

 何か新しいことを子どもに決めさせるような質問です。子どもに判断を促しつつ、アイデアを引き出すような聞き方をしてあげましょう。

● く=工夫させる質問

「よりよくするにはどうしたらいいか」を考えさせる質問です。何か問題が起きたとき、解決するためにどうしたらいいかをたずねます。「もっと○○するにはどうしたらいい?」のように、「もっと」という言葉を使うと効果的です。

● け=計画させる質問

 大きくなってから何か計画を立てようとしたとき、どうやったら目標を達成できるか、問題を解決できるかという「問題解決力」が大切になってきます。それを身につけるには、想像しながら段取りを組むという計画力が必要です。いつ何をするかを細かく決めさせるような質問をしてあげるといいでしょう。

● こ=行動させる質問

「失敗するかもしれない」「失敗したらどうしよう」と考えて行動できない子、やる前からできない理由を探して挑戦できない子が増えています。「行動して失敗する」というトライ&エラーが、そもそもの学びの基本のスタイルです。「まずはとにかくやってみたら?」のような、行動を促すような質問をしてみましょう。

 この質問5パターンは、日常生活の中に取り入れるといいでしょう。

「かきくけこ質問」は年齢別に使いわけていこう

 それでは年齢別に、5つのうち特に意識して投げかけてあげたい質問を紹介します。

0~2歳への声かけ

 特に2歳児には、「く」(=工夫させる質問)を意識してみましょう。2歳は知能が伸びている時期なので、工夫する習慣をつけることで思考力が身につきます。

 積み木を重ねる遊びをしていたら「もっと高くするにはどうしたらいいかな?」 、お絵かきをしていたら「もっとたくさんのクレヨンを使ったらどうなるかな?」 のように、「もっと」を使って、ひとつのことを深掘りする聞き方をしてみましょう。

3~6歳への声かけ

 自分で考えて行動する力が育まれる時期です。「か」(=考えさせる質問)と「こ」(=行動させる質問)を積極的にしてみてください。

 まず、考えさせるためには「あなただったら、こういうときどうする?」のような聞き方をするといいです。たとえば、水が入ったコップを持った子どもがつまずいて転び、中身が床にこぼれたとします。そんなときは「こぼしちゃったね。どうすればいい?」と質問してみてください。子どもがわからないという場合は、「そう、拭けばいいのよ」と教えてあげましょう。

 そして、考えさせるだけでなく、常に行動する子に育ててあげるのも大切です。行動させたいときは、「どれからやる?」「いつやる?」のように、すぐに行動に起こせるよう促してあげましょう。目標が高すぎると実行できないので、小さいことからひとつずつやらせてあげる(=スモールステップ法)のがポイントです。

7~12歳への声かけ

 この年頃は、企画する力や計画する力が伸びる時期。「き」(=企画させる質問)と「け」(=計画させる質問)をどんどんしてみましょう。まず企画させるためには、「あなたのお誕生日会は何をする? 誰を呼ぶ?」 など、子どもに自分で考えさせてみてもいいですね。

 計画させるためには、「今週末、家族みんなで出かけようか。何時に、どこに、どんな順番で行く?」「そのときに何を持っていく?」 のように、ひとつのプログラムを計画させてみましょう。