ステーキ写真はイメージです Photo:PIXTA

2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は王将フードサービス、コメダホールディングスなどの「専門飲食店」(中華料理・カフェ・定食など)業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

いきなり!ステーキのペッパーフードサービスが
飲食店5社で増収率「独り負け」

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「専門飲食店」(中華料理・カフェ・定食など)業界5社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(コメダホールディングスとハイデイ日高は23年9~11月期、その他3社は23年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・王将フードサービス
 増収率:7.8%(四半期の売上高258億円)
・コメダホールディングス
 増収率:14.8%(四半期の売上収益108億円)
・ハイデイ日高
 増収率:23.4%(四半期の売上高123億円)
・大戸屋ホールディングス
 増収率:11.6%(四半期の売上高72億円)
・ペッパーフードサービス
 増収率:マイナス3.9%(四半期の売上高36億円)

 外食5社では、「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスが前年同期比で減収となった。一方、ペッパーフードサービスを除く4社は増収だった。

 ペッパーフードサービスは2月、23年12月通期の決算を発表。これによると、23年12月期は売上高146億円(前期比1.3%減)で、営業損益が4億9000万円の赤字(前期は15億5500万円の赤字)、純損益が7億1000万円の赤字(前期は19億2500万円の赤字)だった。

 同社は過剰な出店を背景に業績不振に陥った後、創業者である一瀬邦夫氏の社長辞任を経て、構造改革に取り組んできた。こうした改革の成果は出ているのか。

 次ページ以降では各社の増収率の推移を紹介するとともに、ペッパーフードサービスの業績について詳しく解説する。