それってアリなのか?
気になるお相手の女性は……非公開

 ところで、大谷は結婚相手を「お相手は日本人女性です(インスタグラム)」「いたって普通の人(記者会見)」と表現するにとどめ、それ以上の素性を明らかにしなかった。

 大谷ほどの有名人であるのだから、その相手が誰なのかはどうしたって気になる。マスコミは「大谷結婚よりも政治倫理審査会を報道しろ」と言いながら、こっそりスマホで「大谷 結婚相手 誰」と検索してしまうのが人間らしさである。

 すでに一部の週刊誌が結婚相手のプロフィールを報道しているし、そこに散りばめられたキーワードからネット上には憶測が寄せられている。バラエティ番組でタレントが「(大谷の結婚相手は)180センチぐらいあるんでしょ?」と口を滑らせてしまい、アナウンサーが「奥様の情報は何もわかっていないので……」と取り繕う場面もあったようだ。

 また、アメリカでは公式の場にはパートナーを伴うのが普通であり、遅かれ早かれ、大谷の結婚相手も公の場に出る可能性は高い。

 それでもなお、発表で結婚相手を伏せなければいけなかったのはなぜなのか。そして報道も一応は大谷の意向に従い、深追いしない姿勢を見せている。

 考えられる点はいくつかあるが、一つは有名人の妻という立場が、近年特にネット上で誹謗中傷や詮索の対象となることが少なくない点を挙げなければならないだろう。

バッシングの対象となりやすい
有名人の妻を取り巻く閉塞感

 もともとスポーツ選手の中でも野球選手の妻には、厳しい批評の目が向けられがちである。最近ではその傾向が薄まってきたとはいえ、「夫の体調管理をするのは妻」という風潮は確かにあったし、結婚後に成績が伸び悩むようなことがあれば、妻の責任になりかねなかった。

 また、結婚後も芸能活動を続けるなど、言動が派手だと思われた場合にそれが批判されることもあった。つまり、三歩下がって夫の後をついていくような保守的な妻の姿が求められがちで、その枠から外れるタイプはバッシングを浴びやすかった。

 これに加え、近年では「一般人」であるはずの著名人の結婚相手が個人情報を晒されたり、過去のSNS投稿を拡散されたりしてしまうこともある。ネット上でいったん「有名人の妻としてふさわしくない」と認定されてしまうと、それを挽回するのは難しい。加藤茶さんと結婚当初にバッシングがひどかった加藤綾菜さんは、10年以上が経過した今、すっかり好印象を持って受け止められているが、これは稀有な例と言っていいだろう。