中国は電気自動車(EV)の開発レースで先頭を走っている。国内のEVブームに乗る新興メーカーは、開発スピードやスマート技術の応用、ラインアップの豊富さにおいて世界でも群を抜いている。業界幹部によると、中国自動車メーカーの開発スピードは老舗メーカーより30%ほど速い。長年にわたる複雑なエンジン車の製造で培われた世界の慣行を覆したことが主な要因だという。中国メーカーは多くの開発段階を並行して進める。サプライヤーを機動力のある小規模業者に変更することをいとわない。時間のかかる物理的なテストの代わりに多くの仮想テストを取り入れている。さらに、商品を市場投入する時期についても業界の常識を覆している。世界の自動車メーカーはかつて格下扱いしていた中国企業への警戒を強めており、自分たちが今や追う立場であることを公然と認めている。EV需要が鈍化する中、中国が実力と世界的野心を併せ持っていることで、低価格車が世界中にあふれかえるとの懸念を強めている。
中国EVメーカー急躍進、開発の「極意」
かつて格下とされた中国自動車メーカー、今では世界に羨望と不安を巻き起こす
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