「Google、Apple、Microsoft……超一流企業が採用試験で出題する問題がある」
それが、「論理的思考問題」です。知識や計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる問題を指します。「スティーブ・ジョブズ超えの天才」と言われたあのピーター・ティールも自社の採用試験に取り入れていました。これまでの正解が通用しない時代に必要な「思考力」を鍛える、「最高の知的トレーニング」でもあります。
そんな論理的思考問題のなかでも選りすぐりの傑作を世界中から収集し、解説した書籍が『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』です。「論理的思考」「批判思考」「水平思考」「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく67の問題を紹介。「頭のいい人の思考回路」がわかり、読むだけで、一生モノの武器となる「地頭力」が鍛えられます。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「世界の超一流企業」が採用試験でクイズを出す理由について解説します。(構成/石井一穂)
「考える力」のみが問われる問題
「論理的思考問題」と呼ばれる問題をご存じでしょうか?
たとえば、こんな問題です。
あなたの前に3人の村人がいる。
1人は天使、1人は悪魔、1人は人間。
天使はかならず真実を言い、悪魔はかならず嘘をつき、
人間はランダムに真実や嘘を言う。
3人の村人(A,B,C)は次のように言った。
A「私は天使ではない」
B「私は悪魔ではない」
C「私は人間ではない」
それぞれの村人たちの正体は?
「論理クイズ」「論理パズル」など、呼び名はいくつもあり、古くから世界中で娯楽としても親しまれています。
その定義はさまざまですが、おおむね共通しているのは以下の点です。
特別な知識を必要とせず、
問題文を読んで論理的に考えれば答えが導ける。
要するに「考える力」さえあれば誰でも解ける問題です。
「優秀な人材」を見抜く“試験”でもある
Google、Apple、Microsoftといった世界的有名企業は、こういった問題を採用試験で出題しています。
「優秀な人材」を測る尺度として活用しているのです。
「PayPal」「OpenAI」の共同創業者でもあり、「ジョブズ超えの天才」とも言われるあのピーター・ティールも、仲間たちと論理的思考問題を楽しみ、自社の採用試験で出題していました。
私が勤めていた広告代理店でも「論理的思考問題」は人気でした。
毎週金曜の18時に、お互いを褒め合う「ウィンセッション」という時間があり、そのアイスブレイクとして論理的思考問題を出題したところ、みな時間を忘れて大いに盛り上がったのです。
なお当時のメンバー11人のうち、現在では6人が社長もしくはCEOのポストにいます。