ビジョンを描く人だけが生き残る

 どんな仕事をするにしろ、生成AIが今後ますます影響を及ぼしてくると予想されることは間違いありません。そんな時代に生き残るためには、人間本来の身体性を活かすような仕事やシステムを作っていくことが重要です。

 生成AIが回答するのは、すでに存在するデータやその組み合わせです。AIなら、銀座にある旨いラーメン屋を値段の安い順に上げることはできますが、値段以上に旨い、新しくできたラーメン屋を探し出す、といったことはできません。それができるのは、新規開店したラーメン屋に実際に訪れ、旨いかどうか、価格と比較してコストパフォーマンスがいいかどうかを自分の五感で判断した人だけです。

 もちろん、それらの判断がデータとして蓄積されていくことで、そんな判断もAIが行えるようになりますが、身体性の高い仕事はAI時代にも生き残っていくのです。

 さらにAIは蓄積されたデータを基に、さまざまなことを分析することが得意ですが、明確なビジョンを持って将来を予測することはできません。

 つまり、自分や自社は仕事を通じて社会にどう貢献していくのかといったビジョンを描き、自らの身体性を発揮して人間にしかできない判断ができる人。そんな人だけが、高度に発展するAI時代に生き残り、時代を切り拓いていけるのです。